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ロッテンマイヤーの3は荒唐無稽というより混沌

散文、雑記、日記、メモ、書物、うらない の予定。とにかく思いつく限りの文章表現。

食いしん坊地獄かしら

なんだかしみったれたいじましい具合なはなしだったわけだけれども、過日、母とふたりで食べようと思っていた柿一個をひとりで食べてしまうということがあった。それで、またかわりの柿をたりない財布の中から工面してもう一個、これもふたりで半分づつとか思って買ってきてとっておいたのだけれど、これも母がひとりで食べてしまった。
一個目をやられたとき、ワンクッションあった。子供の頃からそういうことが幾度かあって、つまらないおもいをすることがあったんだけど、一個目のときもそんな感じだった。
おやつとか美味しそうなものを食べようというと、「夜だから消化にわるいから今はたべるべきじゃない」とか、「おなかがいっぱいだから今はたべたくない」とかいって拒否、「あんたひとりでたべなさい」とかいうんだけど、母のすきなものだし、とおもって我慢してとっておくと、いない隙に全部たいらげてしまうのだ。いっちゃなんだが、こんなことくりかえされるとかなりな具合で心がおれてしまうのだ。なさけないから怒ってしまうと、「また、買ってくるから」と言ってくる。一個200円近くする柿をそうそう買うことなどできないので、いたたまれなくなってくるのである。その後日、やけくそになって母に一山600円する柿を買わせた。母は上機嫌だったが、わたしは闇の中へ落ちてく気分だった。柿の味は覚えてない気がする。
飴の件(後日記す)で兄に言われたのだが、老い先短いのだから好きなものを食わせろとか。祖母や父の介護のときもそうだったけど、なにも悪い気持ちで食べ物のコントロールをしようとしているのではないのだ。めずらしいものや、おいしいもの、栄養価の高いものなんかを自分をさしおいて食べてもらうように日々努力しているのである。もっと捧げ尽くすとなると、何をひきかえにしたらいいのかと思う。
世の中のことをみわたすと、わたしがいつしんでもおかしくないような物騒なことばかり。年寄りと多少わかい年寄りのトリアージをはかって、年寄に身を削ってそそいだあげく・・・と考えてしまうと、思考すら停止する。空虚なゴールは必ずやってくるが、ハッピーエンドなどではないそんなものは考えないようにしないとやってられない。いまはただ、ねこのしっぽを掴んで生きていくしかないのである。たのむからみんな長生きして老衰でいってください。

今夜も鯖カレーにしようかな。
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